漫画PLUTOのあらすじと感想
ここでは実際に漫画PLUTOを読んでのあらすじと感想を書いていきたいと思います。
なるべくネタばれなしで紹介してきますが、あらすじなどではどうしても一部ネタばれしてしまうのでご了承ください。
タイトル:PLUTO
作 者:手塚治虫(原作) 浦沢直樹(作画)
出版社:小学館
掲載誌:ビッグコミックオリジナル
巻 数:1~8
評 価:★★★★★
アニメ化:未
ドラマ・映画化:未
あらすじ
スイス林野庁に所属しルツェルン管区森林保護担当官だったモンブランというロボットが何者かに破壊される。
モンブランは世界最高水準の7体のロボットの内の1体だった。
モンブランはばらばらに破壊されており、顔は2本の角を見立てたオブジェクトのような形になっていた。
一方、ユーロポールの特別捜査官であるゲジヒトはベルナルド・ランケという人物の殺害現場へと足を運んでいた。
その遺体は頭部に角のようなものを見立てた物が置かれており、モンブランの時と共通するものがあった。
ただしその部屋には犯人の痕跡は一切なく、そんなことができるのはロボットだけだったが、条約によりロボットが人間を傷つけることはできなかった。
しかし過去に1例だけロボットが人を殺したという事例が存在していた。
ゲジヒトは近くで検問が突破されたという情報を得てすぐに現場へ向かい犯人を捕らえた。
その男を捕らえたゲジヒトはランケ殺しの犯人ではなかったことを確認するが、一緒に操作していた警察官たちからは単独行動を非難されてしまう。
ゲジヒトもまた世界最高水準の7体のロボットの内の1体だったのである。
ゲジヒトは検問を突破された時に破壊されたロボットのメモリーを回収しており、それを奥さんに形見として渡した。
奥さんはそのメモリーを読み取り、事件があったビルの屋上を飛んで移動する人間の姿があることに気が付く。
今回の犯行がロボットの仕業である可能性があると考えたゲジヒトは過去に人間を殺したブラウ1589の元へ行き意見を聞くことに。
だがブラウ1589はお互いのメモリーを交換しようと提案してくるがゲジヒトはこの提案を断った。
ゲジヒトはモンブランとランケが殺された現場の写真をブラウ1589に見せると、ヨーロッパ神話の冥王プルートゥと口にする。
更にブラウ1589はモンブランを破壊した犯人はまた犯行を行うといい、ゲジヒトを含めた残り6人だと話した。
モンブランを破壊したのはいったい何者なのか?
犯人の目的は?
衝撃のサスペンスを見逃すな!!
最高水準の7体のロボットとは?
最高水準の7体のロボットとは第39次中央アジア紛争に参加した大量破壊兵器になりうる優秀な7体のロボットことをさしています。
ただし実際に戦場に出向いたロボットもいれば徴兵を拒否したロボットもいます。
ゲジヒト
第39次中央アジア紛争に平和維持軍として参加し、現在はユーロポールの刑事として働いている。
本作の主人公で捜査官として事件を追っていく過程で背後に潜む黒幕と過去に自らが起こした事件の真相に迫っていく。
ゲジヒトのメンテナンスなどはホフマン博士が行っているが、ホフマン博士が生みの親であるかは言及されていない。
アトム
第39次中央アジア紛争に平和維持軍として参加するが、現地では不本意ながらアイドルのような扱いを受ける。
本作では途中から主人公になり、ゲジヒトを後を継いで事件の捜査をすることになる。
天馬博士により作られるが、天馬博士自身はアトムは失敗作だと話している。
モンブラン
第39次中央アジア紛争に平和維持軍として参加し、最前線で敵軍のロボットを大量に破壊した。
スイス林野庁に所属しルツェルン管区森林保護担当官の傍らアルプスの山岳ガイドや遭難者の救助も務めていたがプルートゥに破壊される。
ラインハルト博士によってつくられ息子のように愛されていた。
ノース2号
第39次中央アジア紛争に平和維持軍として参加し、モンブランらと同じく最前線で敵軍のロボットを大量に破壊した。
その後、スコットランドで隠居生活をする音楽家ポール・ダンカンの執事となるが、毎晩のように戦争時の悪夢にうなされるようになる。
ポール・ダンカンにピアノを習いたいという感情が芽生えるが、プルートゥに破壊されてしまう。
ブランド
第39次中央アジア紛争に平和維持軍として参加し、モンブランらと同じく最前線で敵軍のロボットを大量に破壊した。
その後はトルコのイスタンブールで格闘技ロボットとして活躍し、ESKKKRトーナメントチャンピオンとなり人気を集めた。
パンクラチオンスーツをきてプルートゥに対抗する。
ヘラクレス
第39次中央アジア紛争に平和維持軍として参加し、モンブランらと同じく最前線で敵軍のロボットを大量に破壊した。
ブランドと同じくパンクラチオンスーツで試合を行いギリシアの世界王者にまで上り詰めた。
エプシロンの忠告を無視してプルートゥに軍用スーツで戦いを挑む。
エプシロン
第39次中央アジア紛争への参加を「この戦いに正義は無い」と言う理由から徴兵を拒否したため世間からは裏切り者扱いされている。
ニュートン博士により作られ、光子エネルギーを動力源としており、それを戦いに用いれば街一つを破壊するのも簡単なほどの破壊力を誇る。
最高水準の最後の一体となりプルートゥを破壊する力を持ちながら別の感情に流されてしまう。
感想
浦沢直樹の作品を読んだのは20世紀少年が初めてだったのですがあまりのおもしろさに感動してしまいました。
それから浦沢直樹の虜になってしまい、PLUTOもすぐに読み始めました。
題材が鉄腕アトムの「地上最大のロボット」ということもあり、鉄腕アトムは見たことはありませんでしたがなじみの深い作品なのでスムーズに作品に入ることができましたね。
内容も非常に面白いもので、続きが出るのが待ち遠しかったのを覚えています。
ストーリーは浦沢直樹独特の世界観で進んでいき、いくつもの伏線が張られ最後の最後まで真相がわからないようになっています。
これがまた読者の感情を揺さぶるんですよね。
一見つながっていなさそうな話も最終的にはきちんと1つの話にまとめるというのは浦沢直樹のお家芸と言ってもいいと思います。
最初から最後まで頭の中でストーリーが組み上がっているでしょうね。
浦沢直樹の作品の中では短い部類に入りますが、それでも圧倒的に面白い作品なので読んだことがない方はぜひ読んでみてください。
アニメ化は?
残念ながらアニメ化はされていませんね。
まあもともとが手塚治虫の漫画なのでいろいろ権利なども問題もあるんじゃないですかね。
すべて英語ですが原作のアニメの動画を見つけることができたので紹介しておきますね。
英語ですけど話の流れなんかは漫画を読んでいればよく分かると思います。
プルートゥと原作のキャラクターの違いなどを比較しながら楽しんでみてください。
2017年11月15日追記
よくよく調べてみると6月ごろにアニメ化されることが発表されていたようです。
公開時期まではわかりませんが待望のアニメ化なので非常に楽しみですね。
実写化は?
2010年にアメリカの映画プロダクションイルミネーション・エンターテインメントは、手塚プロダクションと共同で本作を基にした実写映画を企画・製作中であると発表しましたが、2017年時点ではまだ公開されていません。
また日本では2015年1月から2月にBunkamuraシアターコクーンと森ノ宮ピロティホールにて『プルートゥ PLUTO』のタイトルで舞台公演が行われ、アトムは森山未來さんが勤めました。
2018年に再演予定があり、不思議な能力を持つウランとゲジヒトの妻・ヘレナ役に土屋太鳳さんが起用され、ゲジヒト役の大東駿介、天才科学者・アブラ―役の吹越満の出演も決まっているようです。
舞台に興味のある方は是非ご覧になってみてください。
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