ここでは実際にあひるの空を読んでのあらすじと感想を書いていきたいと思います。

なるべくネタばれなしで紹介してきますが、あらすじなどではどうしても一部ネタばれしてしまうのでご了承ください。

タイトル:あひるの空
作 者:日向武史
出版社:講談社
掲載誌:週刊少年マガジン
巻 数:1~連載中
評 価:★★★★★
アニメ化:未
ドラマ・映画化:未

あらすじ

九頭龍高校に入学した車谷空は幼少期からバスケットをしていたが、高さがものを言うバスケットに置いて彼の身長は149cmしかなかった。

初めて空を見た人間は一様にその身長でなにができるのかとバカにするが、それでも空は腐らず小さくても活躍できる3Pシューターを志す。

空にとって誰よりも遠くからシュートを決めることが大空にはばたける唯一の武器なのである。

そんな空だったが河川敷で不良にからまれた後花園千秋にであうが印象は終始変な人だった。

入学してから2日め、空はボールを持って体育館でバスケットを始めるがそこへ来たのは九頭龍高校バスケ部に所属していた不良の先輩だった。

花園百春(千秋と兄弟とわかるのはもう少し後)率いる不良集団は空にバスケをやるなと指示し、空を部室に閉じ込めてしまう。

そこへ突然現れた千秋に助けられた空は一緒に体育館に行くがそこへ再び百春たちがやってきてしまう。

バッシュを取られた空は必死に抵抗し千秋も助けてくれたのだが、千秋も不良たちの仲間だということが判明する。

更に千秋はこの学校でバスケをするのはあきらめろと空に伝えた。

それでも空は引き下がらず5対1で勝負して自分が買ったらバスケ部へ入れてほしいと挑発する。

これに乗った百春たちだったが千秋だけはなにもせずに帰ってしまう。

勝負が始まると空は小さな体を生かした低いドリブルでディフェンスを抜き去りシュートにこぎつけるが反則をされてシュートを決めることができなかった。

またここで4人の内百春だけは経験者であることが分かる。

やられたままでは納得できない百春は10本勝負だといい空との賭けを続けるが、空の本当の武器はその低さを生かしたドリブルではなかった。

空は1本目と同じようにドリブルで抜こうとするが、手の内がばれており抜くことができない。

だがそれこそが空の仕掛けた罠であり、空の武器とも言える3Pシュートがきれい決まったのである。

その後も空はシュートを決め続け勝負は空の圧勝で終わったが、百春たちにバスケをやるつもりなどみじんもなかった。

果たして空はこの最底辺の学校から這い上がることができるのだろうか?

感想

自分はバスケ部なんですけどこの漫画はスラムダンクと同じぐらい好きなバスケ漫画です。

一般的にスポーツ漫画では主人公が入った学校が優勝したり、最強の学校に勝ったりするんですけど、この漫画はこれでもかというぐらい試合に勝てません。

でも自分にとってはそれがとてもリアルに感じられてドハマりしてしまいました。

もちろん漫画なのであり得ない部分はちょこちょこあるのですが、バスケ漫画の中では最もリアリティーのある作品だと思っています。

ただ世間的には賛否両論の漫画となっており、おもしろくないという方の意見の中にはポエム要素が多いポエム漫画という認識があるようです。

確かにこの漫画には出てくるキャラクターが自問自答したりポエミーな感じになってしまうところがあるのですが、それは部活にはいっていれば誰もが経験するような葛藤であったりするわけで、共感できる部分も多いと思います。

特に自分はバスケ部に所属しておりキャプテンでもあったので共感できる部分も多々ありました。

中学生ぐらいでこの作品を読んでおきたかったなというのが正直な感想です。

今では限界まで自分を追い込むということはなくなりましたが、高校生で部活をしている時には何度もあったことなので、そういう時に呼んでおけばもう少し頑張れたと思います。

バスケでなくても何らかの部活に所属していれば気持ちの面で共感できる部分も多々あると思いますので、いろんな方に是非読んでもらいたい作品です。

この作品はバスケの試合だけでなく日常生活のシーンも多数盛り込まれており、日々の積み重ねが試合に現れるということを地でいく漫画となっています。

シリアスな部分はもちろん笑える部分も多数あるので、おもしろい漫画を探しているという方はぜひ読んでみてください。

アニメ化は?

あひるの空は非常に人気のある漫画ですがアニメ化はされていません。

過去に2度映像化の依頼があったようなのですがそのどちらも脚本の内容が「空がNBAの舞台へ……」というものだったらしく、物語の意図が理解されていないとして、2度とも断ったそうです。

作者いわく、1度目の依頼のときは「テーマと違う」と思い断ったが、2度目の依頼があったときは単行本の巻数をそこそこ重ねたときであったため、「まだ解かって貰えていない」というショックの方が大きかったとのことだそうです。

まあ確かに読んでればわかりますがあひるの空はそういった感じの漫画ではないですよね。

今後はどうかわかりませんが、日向武史さんの性格を考えるとアニメ化されることはないかもしれませんね。

実写化は?

上記に過去に2度映像化の依頼と書きましたが、その内容はアニメだったのか映画だったのかはよくわかっておらず、ひょっとしたら実写化の話だった可能性もあります。

ただ実写化するとなるとキャスティングが大変になることは間違いないので、おそらくアニメ化の話だったのだと思います。

作者の日向武史さんはリアリティを追及する方なので、実写化に関しての話もおそらくうまくいかないでしょう。

ということで、あひるの空を楽しみたいという方はコミックスを読んでみてください。

ちなみにあひるの空は「作り手が”本”になることを想定して描いている以上、読者に届く形態はやはり”本”であってほしい」という作者の要望から一時電子書籍化されずコミックだけ販売されていたようですが、現在は本人いわく会社の圧力により電子書籍でも読めるようになっているようです。